皺の注入治療③ いつからはじめる?

注入処置は何歳から始める?何歳までできる?


言うまでもありませんが、一般的に若い人ほど注入治療の効果はわかりやすく、結果もよいです。若い方の注入の目的は、もっと顎をシャープして小顔になりたい、頬をふっくらさせたい、プリっとした色っぽいリップになりたい・・などという、パーツの修正目的であることも多いです。
一方、40代後半からは肌の衰えのみならず、骨の痩せが顕著になってきますので、輪郭を含めた全体的な修正が必要となってきます。
注入治療はいつから始めたほうがいいですか?と質問されることもしばしばですが、気になっているのならば、できるだけ早いほうが良いです。というのも、時間が経てば経つほど、それを修復するための材料(ヒアルロン酸など)は沢山必要になり、その結果として治療費用も高くなるにもかかわらず、治療効果は少なくなってきます。逆に若いうちから少しずつ注入を開始していれば、注入したヒアルロン酸がご自身の組織が下垂していくのを支える役目を果たし、老化の進行を遅らせます。皮膚を支えている靭帯が伸び切ってしまってからでは、なかなかたるみを持ち上げることは困難になりますので、靭帯が伸び切ってしまわないうちに、早めに注入を開始するほうが老化を予防するためには有効です。
とはいうものの、ヒアルロン酸注入が一般的になってきたのはやはりここ10年くらいのような気がします。以前なら、外来で質問されたときに「ヒアルロン酸の注入が必要でしょうね」とお答えすると「え~~っ!」と驚かれることも多かったのですが、最近では「やはりそうよね・・」と妙に共感を得られることが多くなりました。2014年に初めて厚生労働省のヒアルロン酸製剤の承認が下り、その後も次々と色んな製剤の承認が下りたのも一因だと考えています。そうはいっても、当院ではやはり50代以降の方のご相談が多いです。自身の経験からも50歳を過ぎてからのほうが老化を実感します。

ちなみに当院でよく使用するヒアルロン酸製剤(ジュビダーム)の主要国の承認状況と日本の承認についてご紹介しておきます。

 

2021年07月10日