皺の注入治療① リップも含めた全顔治療

しわには種類があり、大きく分類すると2通りのしわがあります。

2:たるみじわ・・・治療方法は注入療法です

たるみによるしわは皮膚だけの問題ではありません。顔の骨・筋肉・脂肪などが年齢とともにボリュームダウンして、さらに重力の影響でそれらが下垂してくることが原因です。 たるみしわには、ヒアルロン酸などの注入剤でシワの溝をうめたり、少なくなった骨や脂肪や筋肉のボリュームを補ったり、組織が下垂して伸びきった靭帯(骨から皮膚までの連続した組織を支える橋脚のような役割)を下支えするために靭帯の下に注入することで組織を持ち上げます。

法令線が気になるから・・といって、法令線に注射するわけではなく(もちろん一部は法令線の皮下に注射することもあります)、下垂した組織を持ち上げるように、効果的な部位に注射することで、顔全体の印象が若返るように、不自然なふくらみを感じさせずに、ナチュラルにしわを目立たなくすることが可能です。ヒアルロン酸にはいろんな種類があり、組織となじみがよいもの、吸収されにくいもの、しっかりボリュームを補充するもの、皮膚表層を滑らかにするもの・・などそれぞれの製剤によって用途も違ってきます。気になる部位と症状に合わせてヒアルロン酸製剤を選んでいきます。

 

一度治療を始めると、ずっと続けないといけないのでしょうか?と質問されることがありますが、その後の治療を継続するかどうかはご本人次第です。治療をうけても時間が経過すれば、徐々に効果が薄れて治療前の状態に戻っていきます。注入剤そのものが徐々に吸収されていきますが、骨や筋肉や脂肪も年齢を経るにつれてさらに痩せていきます。とくに骨の吸収は顔貌の老化に非常に影響します。治療を継続しないからしわが進行するのではなく、加齢にともなう様々な組織の変化で老化は進行します。ボトックスやヒアルロン酸の治療は、老化の進行を少し遅らせることはできますが、その治療によって老化を加速させることはありません。

初回治療のあとも、時々注入を行うことで、たるみを軽減させ組織のボリュームを維持することができ、結果的に若々しい印象を保つことが可能となります。

 

 

症例写真

 

約2年前のことになりますが、口唇に使用できるヒアルロン酸(ジュビダームビスタ ボルベラXC)の厚生労働省の医療承認が取れた際に注入モデルになってもらった当院スタッフの施術前施術後の写真です。口唇だけに注入しても全体的なバランスが悪いので、先に頬や顎に注入して全体的にたるみを改善したあとに、最後に口唇にも注入するという、トータルフェイシャルトリートメントを行いました。使用量は顔全体でヒアルロン酸6本(6ml)です。

頬の凹み(ゴルゴライン)や顎のボリュームロスが修正され、さらに顎や唇に注入することで、横顔がすっかり若々しい印象になりました。しかもヒアルロン酸は皮膚と筋肉の間にクッションのように入るため、口をギュッと閉じたときの顎から口回りの筋肉の収縮による皺(顎の梅干し様のしわ)が目立たなくなるので、とても優しい表情となります。

 

 

リップの拡大写真

 

 

実はその後の写真をずっと撮り忘れていて(毎日会う人ほど、経過を撮り忘れてしまいます!)、1週間後と、その次の経過写真は2年後の現在です。ジュビダームビスタボルベラXCは効果持続期間6か月~1年といわれていますが、まだとてもいい感じが続いています。ヒアルロン酸はすぐに吸収されると思いこんでいらっしゃる方もいますが、意外に長持ちします。

 

横顔の写真


2021年06月30日