【NEW】 しみのおはなし その⑤ “肝斑”

久しぶりのブログ更新となります。今回は昨年に続いて、シミのお話その⑤を。 以前からご相談の多い“肝斑”について書いてみます。肝斑で受診された方にお渡ししているプリントを参考に書いておりますので、肝斑に対して当院の治療を知りたい方もぜひ読まれてください。

 

肝斑について

肝斑とは両頬(ときに前額や口唇など)に左右対称性に生じる、もやもやとした褐色の色素斑です。30代後半から50代の女性に多く認められます。
女性に多いことや、妊娠中に悪化したりすることなどから、女性ホルモンとの関連もあると考えられています。医学的には皮膚の炎症亢進とその結果としての色素沈着を示す機能的な疾患です。
悪化要因としては、日焼け、マッサージなどの摩擦刺激、ストレス、睡眠不足、ホルモンバランス(生理前などに悪化しやすく、またプレ更年期から更年期の世代に多くみられます)、喫煙、薬剤(ピルなど)があります。
とくに日焼けや摩擦刺激、ストレス、睡眠不足・喫煙は大きく影響します。

当院では肝斑の治療は内服とスキンケアを中心に行います。いきなりレーザーを照射しても「百害あって一利なし」です。
肝斑を生じている場合に気を付けていただきたいことは、365日の紫外線カットと、摩擦刺激を避けることです。洗顔後や化粧の際に顔を擦ることは絶対に避けてください。


肝斑治療の流れ

最初の2か月間は内服薬による集中治療を行います。
内服は炎症を抑えるためのトラネキサム酸・ビタミンC・ビタミンEの3種です。
トラネキサム酸は女性ホルモンに直接影響するのではなく、メラニンを作るメラノサイトに働きかけて色素沈着抑制効果が得られます。
ビタミンCは水溶性ビタミンのひとつですが、人間では自分の体内で作ることができません。ビタミンCには抗酸化作用があり、アンチエイジングや美肌作用として利用されることはご存知の通りです。
ビタミンEは脂溶性のビタミン剤ですが、こちらも強力な抗酸化作用があるため、シミや動脈硬化の予防に使用されます。現在では若返りビタミンとも呼ばれています。ビタミンEとビタミンCを一緒に摂ることで相乗効果が得られるため、併用をお勧めします。ビタミンEを多く含む食品には、鰻・アーモンド・アボガドなどがあります。ビタミンEは末梢循環の血流改善の効果もあるため、稀に発汗作用(手汗など)が強く出ることもあり得ますので、支障がある場合はお伝えください。
当然ですが、内服薬やサプリメントだけに頼らず、お食事からも積極的に摂取していただくことが重要です。
あわせてスキンケア時の摩擦をさけるためのクレンジング兼用の洗顔ジェルとバーム(バリアケア・UVケア・化粧下地やファンデーションの代わりとして使用します)をお使いください。

治療の効果は2か月後に画像カウンセリングシステムにて効果を判断します。お顔の撮影は初診時・2か月集中治療後、維持療法に切り替えてさらに3か月後に撮影を予定しています。来院時は可能であればノーメイクでお越しください(メイクのある場合は院内で洗顔後に撮影します)。症状の増悪を認める場合は適宜撮影して判定します。

肝斑が気になる世代は子育てや仕事などの多忙な時期と重なります。多くの人が自分の美容や睡眠などに時間が取れないのが現状です。なので、できるだけ短時間でシンプルに済ますことのできるスキンケアを、すぐに効果がでなくても焦らずに、気長に、ただし気を緩めずに頑張りましょう。


治療費の目安

内服
<初めの2か月 もしくは 中等症~重度の方> 1か月(30日) 7000円+税 

(通常使用するよりも1.5倍量の内服となります)
 トラネキサム酸(トランサミン錠)  1500㎎/日(3錠/日)
 ビタミンC(シナール錠)     3000㎎/日(15錠/日)
 ビタミンE(ユベラNソフトカプセル) 600㎎/日(3カプセル/日) 


<3か月目以降 もしくは 軽症の方> 1か月(30日) 5000円+税
 トランサミン錠  1000㎎/日  (2錠/日) 
 シナール錠    2000㎎/日  (10錠/日)
 ユベラN      400㎎/日  (2カプセル/日)   

スキンケア
 皮膚保護バーム(白) 2000円(税込) 約1か月分
 皮膚保護バーム(肌色) 2080円(税込) 約1か月分
 クレンジング剤 100g3850円(税込)

当院で推奨しているクレンジング剤は、自身の潤いは残したまま、メイクや汚れだけを落とすものとなっており、皮膚の摩擦を最小限に、さらにクレンジングと洗顔の両方を一度で済ますことができるジェルタイプとなっております。乾燥やバリア機能が気になる方は、あわせてバリアクリームの使用をおすすめします。

肝斑に対するその他の化粧品など

 ・ビタミンCの化粧水・美容液
 ・飲む日焼け止め

日焼けしない事が一番ですが、やむを得ず屋外にでて仕事やスポーツをする方、また昼間に車の運転の機会が多い方などには、飲む日焼けどめを使用することで、早く炎症をひかせる効果があります

 ・低刺激の化粧水
 ・バリアケアを兼ねた美容クリーム
 ・ビタミンC・プラセンタ・トラネキサム酸のイオン導入

なども行っております。化粧品はサンプルをご用意しておりますので、ご希望の方はスタッフまでお尋ねください。

なお、肝斑に対して一部のクリニックでレーザートーニングが行われています。現在肝斑へのレーザートーニングに対しては賛否両論あります。レーザートーニングで肝斑が悪化したり、難治性の白斑を形成したという合併症の報告が多数あるのも事実です。そういった理由から当院ではレーザートーニングは行っておりません。

2021年02月08日