しみのおはなし その➀

当院の美容診療の中で一番多いご相談が“しみ”です。(最近は“しわ”のご相談も増えてきましたので、この話題もそのうちに・・)
一言に“しみ”といっても、医学的に分類するならば沢山の疾患があります。
典型的なシミは日光色素斑、別名:老人性色素斑と呼ばれます。(この“老人性”というのが接頭語にくると、少し嫌な気分になりますね。)周囲の皮膚との境界が比較的はっきりしている、茶色~こげ茶色の平坦な色素斑です。レーザーのない時代ならばファンデーションやコンシーラーで隠すしかなかったのですが、レーザーという強い味方の出現によりかなり綺麗に治療することが可能になりました。当院ではQスイッチルビーレーザーを用いて治療します。
一見シミのようにみえて、手で触ると少しボコッと隆起していたり、表面がガサガサしているようなものは、脂漏性角化症(別名:老人性イボ)といいます。時々痒いという訴えもあります。茶色いものから肌色のものまで多種多様です。脂漏性角化症は当院ではフラクショナル炭酸ガスレーザーで治療を行っております。

両頬や前額にモヤ~~っと蝶蝶のように広がる茶色いしみは肝斑とよばれております。口の周りなどにも認められます。30代から50代に多くかなりありふれた疾患ですが、その成因や診断・治療について確立したものがありませんでした。現在では皮膚の炎症亢進とその結果としての色素沈着を示す機能的な疾患と考えられています。それゆえに、肝斑に対してメラニンを破壊するレーザー治療は適した治療とは言い難く、まずは肝斑の悪化要因を取り除きながら、生活習慣や食生活、毎日のスキンケアを見直すことから治療をスタートします。日焼け・ストレス・睡眠不足・日々の間違ったスキンケア(過度なピーリングやゴシゴシ擦ったりして刺激を加えるなど)を見直し、炎症を抑えるトラネキサム酸やビタミンCの内服が有効です。

これらの診断にかかせないのが、肌診断装置です。初診時には、肌診断装置(re-Beau2®)を用いてお肌の分析を行います。特に初診時は出来る限りメイクを落としていただいて写真撮影をするように努めておりますので、ご理解の上、診察を受けていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 

2020年01月01日